お子様の矯正治療を考えている


ご家族の方へ

お子様の矯正相談にこられるご家族の中には、将来のために今のうちに出来ることはしてあげたいと考えている方も多いようです。
歯並びが悪いと生じる、ブラッシングが困難になり虫歯になりやすい・咀嚼効率が悪い・顎関節症などの原因となる・見た目の問題などを矯正治療によって改善することができます。
当院でも小中学生の治療を行っておりますが、すべての患者様が問題なく治療を終了・維持できているわけではありません。

適切な矯正治療の三要素

虫歯の問題

白い歯のイメージ

歯並びが悪いとブラッシングが難しいため、"虫歯になりやすいからなるべく早く矯正治療をしたほうがいい"と説明を受けられる方もいらっしゃると思います。 これは正しいことです。では、本当に矯正治療をすれば改善するのでしょうか。
矯正治療をする前の現時点で、ブラッシングをしなさいと言っても十分磨いてくれないと悩んでいませんか?

治療中一時的に増加する虫歯リスク

矯正の装置(固定式の装置)をつけて治療する場合は、装置の周囲に食べ物が残りやすくなり、 ブラッシングは今まで以上に困難になります。その様な状況が2年程続きますので、お子様がブラッシングを積極的に行えなければ、 逆に虫歯になってしまいます。

虫歯リスクを低減するために

当院では少しでもその様なリスクを減らすため、矯正治療のための検査の段階で唾液の性質や虫歯の原因菌の数を調べ、 虫歯になりやすい口腔内の環境の場合にはブラッシング指導や食事指導等を行っています。また、矯正治療中にはフッ素の洗口液を使用して 頂き、歯質の強化を図りながら、より虫歯になりにくい環境を維持していくことを心がけております。

重要なブラッシング~欠かせない患者様の協力

白い歯のイメージ

しかし実際には治療期間中に十分なブラッシングを維持していくことは非常に困難です。 月に1回の来院の際にだけ、がんばって磨いてくるお子さんもいます。 また、歯質を強化するフッ素の洗口液は1日1回使用していただくのですが、面倒でやめてしまう方が多いのが現状です。
その結果、歯の表面につける装置(ブラケット)の周囲が虫歯になってしまうことがあります。そうならないために、ご家族の声かけや仕上げ磨き等の協力もとても重要です。

大切な治療後のメンテナンス

患者様には例えでお話しをするのですが、自家用車などは通常5~10年くらい利用されると思いますが、 10年間良好な状態で維持するためには、オイル交換・部品交換・洗車などメンテナンスが非常に重要になります。 では永久歯は何年もたせなければいけないのでしょうか。
平均寿命で考えれは約80歳までもたせることが必要になります。 そのためのメンテナンス(ブラッシング)を十分行っていただけているでしょうか。朝学校に行く前、ブラッシングの時間が十分取れない方も多いようです。それでは虫歯になってしまいます。したがって当院では矯正希望の患者様でも、ブラッシングをしていただけない場合には治療をお断りすることもあります。